風邪で療養中だったお嬢様も
すっかりお元気になられ学校へと戻られた今日この頃。
相変わらずお嬢様とジョー様の喧嘩も絶えず賑やかな日々。
そんな日々の中、お嬢様がある夜、突然・・・




「ステラっ ステラあああああっ!!!」
「お嬢様っ どうかなされましたかっ?!」




ゆっくりと泡風呂を楽しんでいらっしゃったお嬢様が叫ばれ
私も思わずお嬢様がいらっしゃるルームへと飛び込んでしまった・・・




「もっ 申し訳ありませんっ つい・・・っ」




いくら泡で隠されているとは言えお嬢様は全裸。
私などがご一緒するべきではないと気が付いた時には遅かった。
でも、お嬢様はそんな私の気持ちなど・・・ 全く・・・ 察する事もなく・・・




「ステラに頼みがあるのっ」
「はい・・・?」


「ノイトラと友達になって私とくっつけて!」
「はいっ?!」




片手にシャンプーを持たれ、もう片手でコンディショナーを持たれたお嬢様。
少しだけ逆上せておられるのか頬がいつもよりも赤く染まっておられた。
そのお嬢様がシャンプーとコンディショナーを自分とノイトラに例えて・・・




はいい女だぜ、とか言ってくれたらノイトラが・・・」
「いえ、あの・・・」


「そうか、はいい女なんだな、じゃぁ付き合ってみよう、とか思うじゃない?」
「あの、ですから、お嬢様・・・」


「で、よぉ、、俺と付き合わないか? って」
「・・・・・」


「はい、もちろんっ きゃあああ、いいアイデアじゃないっ」
「あの・・・ それが・・・」




なぜか・・・ お嬢様にノイトラ様の真相をお伝えする事が出来ない私。
胸が締め付けられるような思いをしながら子供のように
シャンプーとコンディショナーを手に遊んでいらっしゃるお嬢様を後にした。




「そりゃぁ、またややこしい話やな・・・」
はまだノイトラの事を知らないのか?」
「まだ・・・」




お嬢様がお眠りになられてから市丸ギンとウルキオラとの3人でキッチンに集う。
そしてもちろん、お嬢様から持ちかけられた話を相談してみるが・・・




「はっきり言うても・・・」
「面白味が無い」
「面白味って・・・」




お互いの話がまとまらない。
市丸ギンは言ってみたところでお嬢様なら・・・
「私がゲイを治してみせるわ」とか言ってまた何をしでかすか分からない、と。
ウルキオラはただ単にノイトラ様に振り回されるお嬢様が見ているだけで面白いと。
ジョー様の恋愛事にあまり首を突っ込めない分、お嬢様の方に、と。
そして私は・・・ 黙っている事はお嬢様を騙しているようで罪悪感があり
しかし言ってしまう事はお嬢様を怒らせる気がして恐怖感があり
かと言ってこのまま何もしないわけにもいかないという複雑な心境で。




3人では話がまとまらない、それならもう1人の意見も聞いてみようと
なぜか私達はスタークをキッチンへと呼び出した。
・・・ が。すでに酔っ払っているスタークだからまともな話は聞けないと・・・
そう諦めてしまった時だった、彼が誰よりもいいアイデアを口にしたのは。




私がお嬢様の仰られる通りにノイトラ様に近づき、そして・・・
ノイトラ様に何気にお嬢様のお気持ちを告げて・・・
優しくお嬢様のお気持ちを断ってくれる様に頼んでみる、という。




「しかしそれでは私がまるでお嬢様を裏切っているような・・・」
「反対にお嬢様を守ってるとも考えられんじゃないのぉ?」
「失敗する可能性がある限り見ていて楽しい事に違いは無さそうだ」
「ウルキオラ、あんた人の不幸見て楽しむの、趣味悪いんちゃう?」




それからしばらく4人で話し合った結果、スタークのアイデアを実行する事に。
お嬢様を裏切っているような気持ちが残っていても・・・
これがお嬢様のためならばそうするしかないと自分に言い聞かせた。




その話し合いの後に何気にお嬢様の部屋をチェックした私。
大きな部屋の真ん中に位置する大きなベッドの真ん中で
大の字でお腹を出して寝ていらっしゃるお嬢様のその姿を見ると
思わずそっと近寄って寝冷えなどしないようにパジャマを直して
足元に減られていた毛布をお嬢様にふわりとかけ・・・
思わず触れてしまったお嬢様の頬。




「くすぐったいよ・・・ ステラ・・・」




私の手に擦り寄るように微笑んでそう寝言で言われたお嬢様。




「申し訳ございません・・・ お嬢様・・・」




そう謝った私は頬に触れたことを謝ったのか・・・
それともこれから実行する作戦の事を謝ったのか・・・






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